私の家の庭は、とっても小さな狭い庭で、元はといえば、ただコンクリートで平たく固めてあるだけの場所でした。それが、長い年月が経ってくると、コンクリートの上にだんだん土が積もってきて、やがてコケが生えてきて、だんだん良い風情になってきたのでした。そんな感じでけっこう味のある庭になってきたなあと思いながら眺める日々を過ごしていると、ある日、庭の中央より少し寄ったあたりに、小さな木が生えてきていることに気がつきました。きっと、どこからか風で種が飛んできたものと思われます。木は、はじめは丈の低い苗木みたいだったのですが、年月が経つにつれて細く長くそびえていき、今ではもう、2階の床の高さくらいにまで成長しました。私はこの、どこからともなくやってきたお客さんのような木を、「ようこそ!」と家の庭に迎えることにしました。
この木の生えている庭は、家のいちばん奥の部屋の障子を開けるとガラス窓ごしに見えます。庭ですらっとそびえて緑の葉をそよがせている木を見ていると、なんだか心がなごむのです。
ここで、聖書のことばを一節、ご紹介します。
「あなたがたがだれかの罪を赦すなら、その人の罪は赦され、あなたがたがだれかの罪をそのまま残すなら、それはそのまま残ります。」
(ヨハネの福音書・20章23節)
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